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女性からすれば突然歩行者が走って出てきたように見えただろう。


ゆっくりとバックしていたが、ブレーキが遅れた。


車は私にぶつかってからようやく停止したのだ。


「大丈夫!?」


慌てた様子で女性が車から飛び出してくる。


少しぶつかられた程度でも、やっぱり痛いものだ。


倒れ込んでしまった私は女性の手をかりてよくやく立ち上がった。


車にぶつかった腰と、コンクリートについた手が痛む。


「ごめんなさい、すぐに警察を呼ぶからね」


女性は青ざめた顔でそういったのだった。
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