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☆☆☆

人生初の交通事故を経験した私はとても元気だった。


これで最後の復讐が果たされる。


すべては私にとっても多美子にとっても素晴らしい方向へと進んでいくはずだった。


翌日A組の教室へ入るとまだ由希は登校してきていなかった。


しかも、昨日母親に付き添われて産婦人科に入っていく由希を見たというクラスメートまで出てきた。


やられてしまったという噂は信憑性が増してきて、ほくそ笑む。


「やっぱりやられたんじゃないの?」


「きっとそうだよ。ひとりじゃ部屋からも出られないっていう噂だもん」


きっと、由希はもう再起不能だ。


夕里子ももちろん来ていない。


死んだという情報は入ってきていないけれど、まだ病院のベッドの上であることは確実にわかっていることだ。


中には出血多量で意識不明に陥っているという噂もある。


どっちにしても私の敵は真純ひとりに絞られることになった。


その真純への復讐も昨日の時点ですでに準備はできている。
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