追体験アプリ
☆☆☆
「すごいことになっちゃったね」
3人がいなくなった教室内で多美子が疲れたような声でつぶやく。
校外ランニングの授業は思わぬ形で終わることになってしまった。
今後再開されることがあるかどうかもわからないらしい。
「本当だね」
私は相槌を打ちながらもあくびを噛み殺した。
真純が落下したのは田んぼの中だった。
残念だけれど柔らかな土の上に落ちたのでは死なないかもしれない。
本当は死んでほしかったけれど、そのためには私自身が死ぬような思いをしなきゃいけないから、さすがに難しい。
教室内にはさざなみのような会話があちこちから聞こえてきていた。
最近あの3人ばかりに不幸が降り掛かっていて、ついに3人共登校してこなくなってしまった。
呪いだとか、誰かからの復讐といった言葉も聞こえてくる。
でもその会話の大半が「いつかこうなると思っていた」というものだった。
みんな、悪いことをしていればしっぺ返しが来ると思っていたみだいた。