追体験アプリ
私は唖然としてその光景を見つめる。


「なにこれ、どういうこと!?」


「あんたは轢かれる。それで死ぬの、絶対にね」


「嘘……。だってやっと自由になったんだ! お前ら3人がいなくなって、やっと私の人生は始まったんだ!!」


唾を吐いて怒鳴り散らす。


しかし私の体は救急車に載せられて行ってしまった。


「待って! 私はまだ生きてるんだから!」


救急車を追いかけようとするが、体は思うように動かない。


救急車はどんどん遠ざかっていき、やがて見えなくなってしまった。


「そんな、なんで……」


ここで死んで、私の人生は終わるの?


そんなこと許せない!!


「黒い流れ星」


真純の言葉に私はハッと息を飲んで振り向いた。


真純は腕組みをして私を見ている。


「私もあの夜、流れ星を見たの。とても不思議な流れ星だった」


真純は思い出すように目を細める。


そう、とても不思議だった。


普段は明かりの灯っている街が真っ暗で、空にも星ひとつなくて。
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