追体験アプリ
☆☆☆
それから昼休憩になるまでの時間は早かった。
移動教室が2度も入っていたので一人の時間を過ごすことが少なかったからだ。
移動教室で班に別れたときはクラスメートたちは普通に私に話しかけてくれる。
いつもと変わらない学校にいるのに、少し環境が変わるだけで見て見ぬ振りから知り合い程度の関係になれるのだから不思議なものだった。
「予定通りテストを返すぞー!」
担任の先生が小テストを片手に教室に入ってきたのは昼休憩が半分くらい終わった頃だった。
教室内に生徒の姿はまばらだったけれど、教卓の上にテスト用紙を並べていく。
小テストの場合は自分たちが勝手に取っていくのだ。
点数を見られたくない生徒たちが慌てて椅子から立って教卓へと急ぐ。
私はもみくちゃにされるのが嫌でしばらくその様子を眺めていた。
「由希、あんた点数本当にヤバイじゃん!」
夕里子の声が教室中に響き渡った。
「ちょっと、やめてよ」
そう言いながらも由希も自分の答案用紙を見て笑っている。
「50点満点中、5点だって、5点!!」
夕里子が由希の点数を大声で叫んだ。
それから昼休憩になるまでの時間は早かった。
移動教室が2度も入っていたので一人の時間を過ごすことが少なかったからだ。
移動教室で班に別れたときはクラスメートたちは普通に私に話しかけてくれる。
いつもと変わらない学校にいるのに、少し環境が変わるだけで見て見ぬ振りから知り合い程度の関係になれるのだから不思議なものだった。
「予定通りテストを返すぞー!」
担任の先生が小テストを片手に教室に入ってきたのは昼休憩が半分くらい終わった頃だった。
教室内に生徒の姿はまばらだったけれど、教卓の上にテスト用紙を並べていく。
小テストの場合は自分たちが勝手に取っていくのだ。
点数を見られたくない生徒たちが慌てて椅子から立って教卓へと急ぐ。
私はもみくちゃにされるのが嫌でしばらくその様子を眺めていた。
「由希、あんた点数本当にヤバイじゃん!」
夕里子の声が教室中に響き渡った。
「ちょっと、やめてよ」
そう言いながらも由希も自分の答案用紙を見て笑っている。
「50点満点中、5点だって、5点!!」
夕里子が由希の点数を大声で叫んだ。