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由希の怒鳴り声に教室の中のざわまきが消える。


由希のことを笑っていたのは他の子たちだ。


由希だってそれは見ていたはずだ。


心の中でそう反論するが、とても口には出せなかった。


私はただうつむき、みんなからの視線に耐えるだけだ。


「お前、今日も放課後残ってろよ」


由希は私の耳元でそう言うと、大股で夕里子たちの元へ戻っていったのだった。
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