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そっと両手を差し込んで取り出すと私の両手は小さく震えていた。


「夕里子やるじゃん」


由希の声が聞こえてきて私は勢いよく振り向いた。


夕里子のいやらしい笑顔がこちらを見ている。


「中身は無事じゃん? よかったね」


真純からの嫌味にまた奥歯を噛み締めながら、私は自分の席へと戻ったのだった。

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