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夕里子がそんなに怒鳴るとは思っていなかったようで、女子生徒はしどろもどろになり周囲に助けを求める視線を向けている。


しかし、同じA組の生徒たちは夕里子の性格を知っているので成り行きを見守るばかりだ。


「それで? なんでこんなに泥だらけなわけ?」


そう言ったのは由希だった。


由希は夕里子と同じように女子生徒を睨みつけている。


「ドブにはまちゃって……」


その言い訳に笑いそうになってしまい、慌てて手で口をおおった。


「なにそれありえないんだけど!?」


「ご、ごめんなさい!」


「ちゃんと洗ってきてよ。放課後までに乾かして、それで返して!」


「わ、わかった」


女子生徒は夕里子たちに怯えながら走って行ってしまった。


「体育どうする?」


「休むしかないじゃん」


由希からの質問に夕里子は腕組をして仏頂面でそう返事をしたのだった。
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