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私はすぐに男から視線をそらして面を睨みつけた。


余計なことを、余計なことを、余計なことを!


今日はもう終わりだったのに。


3人共帰ってしまうところだったのに!


知らず知らず拳を握りしめていて、爪が手のひらに突き刺さっていた。


「聞いた有紗ぁ? よかったねぇ、太一が助けに来てくれたってよぉ!」


夕里子が大声で叫んだが、私は顔を挙げなかった。


3人の笑い声はいつまでも続いていたのだった。
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