追体験アプリ
2人は私の顔を両手で掴んで無理やりカメラの方へ向けようとする。


私はそれに抵抗するので、頬がぐにゃりと歪んで変な顔になっているのがわかった。


「ちょっと、そんな顔じゃ誰も買ってくれないでしょう?」


「そう言われても」


「おい、抵抗すんなよ!」


2人も必死だけれど私も必死だ。


絶対にまともな写真なんて撮らせてやるものか。


必死に抵抗しているうちになんだかおかしさがこみあげてきて、私は笑い始めていた。


「アハハハハハッ! アハハハハハッ!」


その笑い声に由希と夕里子の手の力が緩んだ。


顔が自由になった私はさらに声を上げて笑い、するとご飯を食べていた生徒たちが何事かと近づいてきた。


真純はチッと小さく舌打ちをして私の上から立ち上がる。


「気持ち悪。行こう」


真純の言葉に2人は同時に頷いて3人は私を置いて屋上から出ていったのだった。
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