追体験アプリ
☆☆☆

3人ともいなくなってしばらくすると、自然と笑いは収まってきた。


どうしてあれだけおかしかったのか自分でもよくわからない。


ただなんだか、どうでもよくなった気がした。


笑いながら、今日は大丈夫だったけれど、近いうちに援助交際もさせられるのかなぁとか、そんな考えが浮かんできていた。


本当に転落するときはあっという間だ。


止まれない、止まらない。


私は1人で起き上がり、足や手の痛みに顔をしかめた。


踏みつけられた手の甲からは血が滲んでいたし、太ももには広範囲に渡って青あざができ始めている。


由希のやつ、本気でやったみたいだ。


とにかくスマホを取られなくてよかった。


これがなくなったら、私は自分の心を守ることができなくなってしまう。


スマホを取り出すとすぐにアプリを起動した。


痛み手に顔をしかめながら今の時間を記入する。
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