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1時間ほどボールングを楽しんだ3人は真純の門限のこともあってすぐにお店を出た。
私は3杯目のコーヒーを飲み終えてまた後をつけた。
7月の夕方はまだ明るくて、夕里子たちのような若い人たちが歩き回っている。
しかし真純の門限まであと1時間ほどになているから、3人はどこかに立ち寄る素振りを見せなかった。
この分だと今日はもうなにも起こらないのかもしれない。
落胆しそうになったとき真純が突然脇によって立ち止まり、電話を始めた。
「もしもし? ――うん、今帰っているところ――わかった。すぐに戻る」
簡単に電話を済ませて「すぐに帰らなきゃ」と、2人に伝えた。
「もう帰るの?」
「まだ門限まで時間あるよ?」
2人に言われても真純は左右に首を振る。
そして「またね」と軽く手をふると2人に背を向けて小走りに帰っていってしまった。
残された2人は顔を見合わせて泣きそうな顔をしている。
「相変わらず厳しみたいだね」
「両親の言葉は絶対なんだって? 従わないと殴られるって言ってたよね」
あの真純が殴られる?
自分の聞き間違えじゃないかと思った。
だって、真純の悲しそうな顔なんて少しも想像できないから。
「どっこの家もそんなもんだって思うと諦めがつくけど、幸せなやつもいる。不公平だよね」
由希はペッと唾を地面に吐いて言う。
1時間ほどボールングを楽しんだ3人は真純の門限のこともあってすぐにお店を出た。
私は3杯目のコーヒーを飲み終えてまた後をつけた。
7月の夕方はまだ明るくて、夕里子たちのような若い人たちが歩き回っている。
しかし真純の門限まであと1時間ほどになているから、3人はどこかに立ち寄る素振りを見せなかった。
この分だと今日はもうなにも起こらないのかもしれない。
落胆しそうになったとき真純が突然脇によって立ち止まり、電話を始めた。
「もしもし? ――うん、今帰っているところ――わかった。すぐに戻る」
簡単に電話を済ませて「すぐに帰らなきゃ」と、2人に伝えた。
「もう帰るの?」
「まだ門限まで時間あるよ?」
2人に言われても真純は左右に首を振る。
そして「またね」と軽く手をふると2人に背を向けて小走りに帰っていってしまった。
残された2人は顔を見合わせて泣きそうな顔をしている。
「相変わらず厳しみたいだね」
「両親の言葉は絶対なんだって? 従わないと殴られるって言ってたよね」
あの真純が殴られる?
自分の聞き間違えじゃないかと思った。
だって、真純の悲しそうな顔なんて少しも想像できないから。
「どっこの家もそんなもんだって思うと諦めがつくけど、幸せなやつもいる。不公平だよね」
由希はペッと唾を地面に吐いて言う。