追体験アプリ
今まで自分がイジメられるのにはなにか理由があるんだと思っていた。


それこそ自分にも非があったんじゃないかとか、なにか悪いことをしたのだと思って悩むこともあった。


でも違った。


家族旅行の会話。


ただそれだけのことだったんだ。


危うく立ち止まってしまいそうになる両足を叩いて前へ進む。


２人はもう私の話題なんてやめて、ウインドーショッピングを楽しみながら歩いている。


２人の後を追いかけながらも頭の中はぼーっとしてくる。


さっきの会話は頭から離れてくれない。


ぼんやりしすぎて何人もの通行人とぶつかって、何度も文句を言われてしまった。


だから気がつくのが少し遅れてしまった。


ふと２人へ視線を戻すと、２人組の男声をかけられているところだった。


男の１人は赤毛で口にたくさんピアスをつけていて、タンクトップから見えている二の腕は筋肉が盛り上がっている。


もう１人の男は金髪でネックレスと指輪ろジャラジャラつけていて、ひょろりと背が高い。


どちらも遊んでいそうな感じだ。


さすがにこの男たちについて行くことはなさそうで、夕里子と由希のは２人で手をつないで身を寄せ合うようにしてあるき出す。


男たちはその後を追いかけ始めた。


夕里子たちは更に歩調を早くして近くの路地へと入っていく。


男たちは更に後を追いかける。
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