追体験アプリ
☆☆☆
黒坂くんのことはあっという間に学校中に広がってしまったようで、ひと目見ようと廊下にまで女子生徒が集まってきていた。
そんな中、黒坂くんはあまり席を立つこともなく隣の席の私に声をかけてくる。
「教科書見せてくれてありがとう。明日には届くと思うんだ」
「そうなんだね。気にしなくていいよ」
何気ない会話にドキドキしてしまう。
むしろ教科書なんてずっと届かなくていいのにと思ってしまう。
そんな様子を見てあの3人が動かないわけがなかった。
「黒坂くん、よかったら学校案内してあげようか?」
いつもよりワントーン高い声で声をかけたのは由希だ。
由希は頬を赤く染めていて、その後ろには夕里子と真純もいる。
一瞬真純と視線がぶつかり、軽く舌打ちをされた。
それだけで私の体はすーっと冷えていき、視線をそらせてしまった。
「案内は井村さんにしてもらうつもりなんだ」
黒坂くんは申しわけなさそうな表情で答える。
「有紗が……」
由希の声色が変化して低くなる。
「やめといたほうが良いよ、その子」
あそう言ったのは夕里子だった。
夕里子は一日前へ出て私を指差す。
黒坂くんのことはあっという間に学校中に広がってしまったようで、ひと目見ようと廊下にまで女子生徒が集まってきていた。
そんな中、黒坂くんはあまり席を立つこともなく隣の席の私に声をかけてくる。
「教科書見せてくれてありがとう。明日には届くと思うんだ」
「そうなんだね。気にしなくていいよ」
何気ない会話にドキドキしてしまう。
むしろ教科書なんてずっと届かなくていいのにと思ってしまう。
そんな様子を見てあの3人が動かないわけがなかった。
「黒坂くん、よかったら学校案内してあげようか?」
いつもよりワントーン高い声で声をかけたのは由希だ。
由希は頬を赤く染めていて、その後ろには夕里子と真純もいる。
一瞬真純と視線がぶつかり、軽く舌打ちをされた。
それだけで私の体はすーっと冷えていき、視線をそらせてしまった。
「案内は井村さんにしてもらうつもりなんだ」
黒坂くんは申しわけなさそうな表情で答える。
「有紗が……」
由希の声色が変化して低くなる。
「やめといたほうが良いよ、その子」
あそう言ったのは夕里子だった。
夕里子は一日前へ出て私を指差す。