君がいた夏
君がいた夏が来る
暑い盛りに見た君の可愛い笑顔
あの一瞬を今でも後悔している
日々暑さが増すほどに君を思い出す
君は夏がちょっと苦手だった
クーラーを効かせたリビングでちょこんと座っていたこと
「おはよう」「おやすみ」の何気ない会話
君の得意料理のチャーハンを一緒に作ったこと
思い出しては、もう君と新しい思い出を作ることはないのだと、君がもういないのだと、思い知らされる
苦しくて 苦しくて 悲しくて
どうして君がいないのか
どうして君を失わなくていけなかったのか
どうにかして君を取り戻す方法がないのか
答えのない問いを繰り返す
永遠に
夏が来るたび思うだろう
苦しみに心臓が潰されればいいと思う
せめて君を思って泣いて暮らせたらどんなに気が楽だろう
君の笑顔が見た、声を聴きたい
君がいた最後の季節が来る
もう一度だけ君を抱きしめたい
終