Letter - 大切な人 -
寝転がった真上の茶色が目立つ枝の隙間からは雲が多いとはいえ綺麗な光が漏れている。
自分の左手首についているブレスレットをその光に透かして見た。
太陽の細い光で部分部分が綺麗に透き通って見えた。
小刻みに手首を動かしジャラジャラと音を立てる。
『―――何がしたいんだろう…』
身体中に枯葉が付いていることも気に留めずごろりと右側へ寝返りを打つ。
まるで寝起きの悪い子供のように。
そのまま、目を閉じる。
空気は冷たいが風がなければ太陽の光も届く。
少しだけ眠気が襲ってきた。
授業をさぼってしまおうか、そんなことを考えたりもする。