Letter - 大切な人 -
第十五章 鈍感
 部活を終えて更衣室から出てきた美利。
 近くに智樹は居ない。

 教室にコートを取りに行き、そのまま玄関まで行って靴を履き替える。

「あー、風が気持ちいい」

 動いて火照った体が冬の空気に包まれる。

 地面にカバンとコートを置いて伸びをした。

「お待たせ、今日の練習試合惜しいシュートばっかりだったな」

 ぼやきながら玄関から智樹が歩いてきた。

「やべ、バス来た」

 智樹の言葉を聞いて美利は急いでカバンとコートを持ち、二人でバス停までダッシュした。



 『シャク…』

 マックの店内でフライドポテトを食べながら『今日もおごりなのかな』なんて考える美利。
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