Letter - 大切な人 -

「はよー」

 教室の後ろ角に置かれている大きめのごみ箱にパラパラと破かれた紙を捨てていると竜が登校してきた。

 後ろに和巳も居る。

「おはよ」

 二年生に上がり琢己と智樹とはクラスが分かれてしまったがこの二人がいるお陰で朝も楽しく過ごせている。

 美利は挨拶を済ませるとしまいかけていた教科書を再び机の中へ入れ直す。

「はぁ、今日もまた勉強かー。どうしてこう毎日毎日勉強しないといけないんだろうな」

 竜はカバンを自分の机に放り投げてすぐに美利の席へとやって来ている。

 頭の出来はいい方だが、勉強が特に好きと言うわけではないらしい。

「智樹はくぅと付き合い始めるし…俺だってくぅが好き」

 美利と智樹が付き合い始めて数か月経つのだが美利を口説くのは相変わらずだ。
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