屑 作 成 レ シ ピ
恒 星






「ねえ、セイ?」



見慣れた1K、
駅から徒歩6分、
少し錆びた階段を上った、

ちっぽけなきみの惑星。



狭いのに並んだ台所も、
いまではひとりきり。

あまり大きくない浴槽にくっついて水が溢れていた浴室も、
いつからお湯が張らなくなったんだろう。


おいでよ、待ってるから。
用もなく訪れても、嬉しそうに笑ってた。


誰もいない部屋。
真っ暗闇の中で、唯一灯る光。



【ごめん、今日は帰らない】




笑って、誤魔化して。
許した、好きだったから。



言わなかった、我儘は
どうして 言わなかった?




「―――もう、いらない」


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