屑 作 成 レ シ ピ






いい加減、帰らない理由を楠にするのやめれば?

あの男はついさっきまで私と一緒にいたんだから。



それくらい通じない嘘をつくのなら、
もっとわたしにばれないように嘘で固めて欲しかった。



素直に好きだって言える女じゃなくてごめんね。

知ってるよ、セイが浮気相手に選んだ女の子は可愛げのあるスカートがはけちゃうような年下のオンナノコなんでしょう。




最後くらい、わたしを見て欲しかった。

少しくらい、気づいてほしかった。



わたしがつくった既成事実に、すこしでも、傷ついてほしかった。





真っ暗な部屋、電気をつける。
わたしの生活が滲む部屋に、きっとあの子は連れてこれない。

わたしが守り続けた、唯一の城だった。




クローゼットに押し込められたわたしの服、
適当に置いていたメイク道具、
お風呂場のクレンジングも、
洗面台に並んでる歯ブラシも、
棚で眠ってるお揃いのマグカップも。


ぜんぶゴミ箱に入れてやった。



アイツの匂いがする洋服なんてもういらない、
あんたとお揃いのものなんてもう必要ない、


もうぜんぶ、灰になって煙になってどこかに消えてなくなってしまえばいいのに。



ベッドの横にある小さなテーブルに乗った、半年記念日にあげた写真立て。

なんでこんなに笑ってるんだろう、たった1年前なのに、幸せそうで、呆れる。



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