屑 作 成 レ シ ピ
所要期間、1年半。
友達期間の2年を超えて、恋人同士。
手順は、以上の通り。
わたしがこの手で作り上げたのは、
大好きだった、最低な男だ。
『……美空、会って、話がしたい』
「なにを話す?どっかのかわいい女の子とセックスしたことを謝る?傷ついてる私を慰めようとでもする?」
『―――ッ』
「航星の気持ち、わたしも知りたかった」
恋人がいるのに、
恋人じゃない人と繋がる。
それって幸せ?それって楽しい?
セイがどんな気持ちでほかの子を抱いているかなんて知りたくもないのに、
ほかの人に手を出される気持ちが知りたくなったよ、
セイが作り上げたわたしは、
気づけば、最低に成り下がってた。
「―――わかんなかったよ、」
『……ッ、』
「わかんなかった、分かり合えなかった、どれだけお互いの『許せる』を擦り合わせても、きっとこれだけは絶対に分かんないと思う」
許せないのが、当たり前で。
ずっと許そうとしていたわたしは、もうとっくに壊れていたのかもしれないね。
やっぱり、そばにいるには、
お互いの、理由じゃないこころが必要だったんだろうね。
後ろは、振り返らなかった。
もうあの場所は、思い出さないことにする。