屑 作 成 レ シ ピ
真夜中、誰もいない、一本道。
終電まであと少し、電車に乗る気分にもなれないまま。
身もこころも、ボロボロだった。
「……っ、来るな」
「美空、俺は、」
「誰かを抱いた後に、わたしのところに来ないで」
「――――、」
「航星じゃない誰かに抱かれても、わたしはちっとも、幸せになんかなれなかった!」
わたしたちがお互いに求めてたものは、
いつからすれ違ってしまったのだろう。
たったひとこと、「好きだ」
それだけが、わたしたちの関係を引き延ばしていた。
「……美空が好きだった」
「――――――、」
「――だけど、美空を好きでいるのが、辛かった」
でも、自分がしたことは間違ってる。
好きじゃなくても、かわいい子だとは思ってた。
そんなことが聞きたかったんじゃない。
そうやって直接、ボロボロにされたかったわけじゃない。
「とっくに、辛かった」
「――――、」
「わかってくれない航星を、好きでいるのはもう、いや」
好きは、履き違えたら、もう戻れない。
すれ違ったらもう、巻き戻せない。
気づけば出来上がってしまった、
わたしたちの大きな溝は、
もうきっと、元に戻らない。