屑 作 成 レ シ ピ




なにも返ってこなかった。

ただ、鼻を啜るような泣き声だけが、
どれだけ離れても、聞こえるような気がした。





すきだったから、
理由がなかった恋に、気づけば理由を求めてた。


嫌われたくなかったから、
お互いの許せることを守ろうとしていた。




どうしてうまくいかなかったんだろう、

気づけばわからなくなっていた、
お互いの本音を知ることが怖かったから?


ずっと好きなままでいたかった、
だから好きでもない人と身体を重ねることを許せる自分になりたかった。



ぜんぶ、まちがいだ。





「―――もし、もし、」

『なんだよ、連絡すんのはやくね?』

「アイツはさあ」

『――――――』




「好きだったんだね、わたしのこと」

『………』

「なんで、わからなかったんだろう、なあ」





『だから、言っただろ』

「………なに、よ」

『お前らは、バカなんだよ』





涙が止まらないのはきっと、
もうあんな奴のことで泣きたくないからだ。


苦しいのはずっと、
わかりあえなかったことを、引きずってしまいそうだからだ。





「―――――くすのき、」

『あ?』

「……いいよ、」




「アンタに、抱かれてあげる」





セイが作り上げた、
たったひとりの、最低なわたし。


わたしが作り上げた、
大好きだった、最低なひと。







『―――お前もクズだな、如月』




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