屑 作 成 レ シ ピ



幸せなときに読まないでください。

というのを、あとがきで書くのは後出しジャンケンと一緒で遅いわ!と思いますよね。


何を思って人を好きになるのか、

何を思ってその人と一緒にいるのか、


たぶんそれは人それぞれで、
だからこそ存在する「価値観」が、ぴったり当てはまるひとなんてこの世にほとんど存在しないのではないでしょうか。



足りないところを補える、
お互いの許せるを、擦り合わせていく。


相手を思うがための行動が、気づけば相手を傷つけるようになること、
それは全部、相手に言わなかった本音が生み出すものなのでは無いでしょうか。



恒星、といえば太陽です。

自ら光を発する唯一の存在でありますが、作中では真っ暗な部屋を対称に照らす最低なひとことのメッセージの灯り。

その光はもっと綺麗なものだったのにね、
章タイトルには実はそんな意味がこもっていたりします。



ヨシナガの夏の短編と言えば、めちゃくちゃに苦い後味を感じられる別れ話、だと勝手に思っていて、

昨年の「哀夏に、」がまさに、恋人のすれ違いを描いたものでした。
去年は自分が10代だったので、20代の最初の夏の失恋、少し大人っぽくしてみました。



あれを越えられる苦い後味が残る話を書きたいなとずっと思っていました。
創作メモに残されていた「所要期間、1年半」という言葉が、この作品のきっかけです。




わたしの中では、すごくモヤモヤが残る終わり方だなと思っています。
でもこのいやな感じが、私は好きです。



浮気をしてしまった、
浮気をさせたのは、自分だった、

我慢をさせていた、
言えなくしていたのは、自分だった。



そんなふたりが、これからも一緒にいることが出来る可能性はもうどこにも残っていません。


互いの作り上げてしまった「クズ」な部分を、2人はしばらく引きずってしまうのだと思います。


ただいつか、また、

ふたりが本音を言い合える誰かに出逢って欲しい、そう思っています。



楠 と言う男も、脇役のわりにはいい味を出してたのでは?と自画自賛しておきます。


タイトルを一緒に悩んでくれた綺森さま、タイトルの「屑」の当て字を下さりました。ありがとうございました…!



補足ですが、未成年の飲酒は法律で禁止されています。推奨するものではありません。
浮気は法律では違反されてませんが、絶対に推奨できません。誰かを傷つける行為は、自分も傷つくことになるのでやめましょう。





最後になりますが、
いつも作品を手に取ってくれる全ての皆様に、最大の愛をこめて。



2021.7.13  吉永 優  

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