屑 作 成 レ シ ピ
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「なあ、どんな気持ち?」
「………」
「知りたかったんだろ?どうなのかって聞いてるんだけど」
「……理解、できなかったわ」
「そ、まあそれが人間として正常なんじゃね?」
あの部屋には到底入らなそうなサイズのベッドに寝転がっても、
あたたかいぬくもりは近くに感じられないし、
やけに凝っている照明が天井で灯っていても、
そんな演出は別に必要じゃないかと思った。
ああ、アイツはこんなところで女の子と会っていたのか。
ただぼうっと、身体に残るけだるさをシーツに放り出してあおむけに寝ていた。
「つーか服着ろよ、もっかい襲うぞ」
「いいんじゃない?好きにすれば」
「好きにすればってな…俺に興味ない奴何回も抱くほど暇じゃねえよ」
「じゃあ放っときなさいよ」
「……だる。やっぱヤらせてもらうわ」
「―――――、」
覆いかぶさる身体。
近づいてくる唇、黙ったまま目を瞑る。
噛み付くように振ってくる口づけにおとなしく身を任せていれば、指先がゆっくりと首筋をなぞった。
「つーかさ」
「……ん、なに」
「今くらいは、アイツのこと考えるのやめれば?」
冷めきった視線。
上から降ってくるそれは、わたしのことを蔑んでいるようだった。
「……この部屋でさ」
「………、」
「アイツもどっか知らない女とよろしくしてたなんて」
「………」
「ほんっと、おもしろい」