屑 作 成 レ シ ピ
なんも面白くねえよ、
つまらなそうに舌打ちをした男が、わたしを思い切り突いた。
「―――っあ、」
「……ま、欲に勝てるオトコなんて、結局いないってわけよ」
「っ、あ……ぅ、ッ」
「お前も、よがってんなら同罪になるんじゃね?」
―――ああ、本当に。
つまらない世界で生きているんだ、私は。
いつからだっただろう。
女の勘は鋭い、なんていう言葉はまるっきり信じていなかったし、そもそも『なんとなく』という言葉が世界で5番目くらいに嫌いだった。
それなのに、その『なんとなく』は気づけば『確信』に変わって、
あっけなく、終わりを見据えていた。
わたしに跨って、少し表情を歪めているこの男は、
ああ、そうだった。あいつがきっかけで出会った最低な男友達だ。
類は友を呼ぶってそういうことね、こいつを紹介されたときに疑うべきだったのかもしれない。
「―――『セイが浮気してるかもしれない』」
「………」
「わたしがそう言ったときから、あんただってわかってたんじゃないの」
「……いま、俺お前の中入ってんのに」
「………」
「そーゆー萎える質問、すんのやめてくんね?」