屑 作 成 レ シ ピ
最初はセイの好意から始まった恋だった。
わたしは大学一年の秋まで高校から付き合っている彼氏がいたし、セイにも不定期に彼女がいた。
あんまり続かない理由は、セイが最後に結局「つまらない男だ」と言われることがほとんどで、自分から振ることはほとんどないと言っていた。
気づけば彼女と別れていて、みんなにいじられて、それでもへらへら笑っている。
友達でありながら、なんて軽薄なオトコなんだろうと思っていた。
わたしが彼氏と別れたころに、
たった一通の着信、それに出なかったら付き合うこともなかったのだろうか。
ふたりで行った安っぽい居酒屋。
年齢確認もされずに通された二人掛けの小さなテーブル席。
アルコールの味ばかり残る美味しくないレモンサワーを片手に、セイは相変わらずおちゃらけて嘘か本当かわからないことを言う。
「お前とならうまくやっていけるんだろうな」
冗談を流して一年弱。
結局最初からアイツの手のひらで踊らされていたように思う。
確実にわたしたちが友達じゃなくなったのは、セイがそんなことを言ってわたしを操ったからだ。