屑 作 成 レ シ ピ




そんなこと言われなくてもわかってるよ。
アンタなんかに言われなくても、わたしはちゃんと、わかっていたんだ。




何が、足りなかった?
何が、不満だった?


考え出したらキリがなかった。
どう考えても、わたしはセイだけを見ていたし、それは変わらないはずだった。



不満?言わないよ、
言ったらセイは、ふらっとどこかに行ってしまうんでしょう。


言えなかったよ、
言わなかったから、捕まえたまんまでいられなかった?





触れただけで幸せだった、
いつまでもそばにいれる、あの小さなベッドで二人で眠るのが好きだった。


狭いテーブルにご飯を並べて、
美味しそうにほおばる姿が可愛かった。


ベッドにもたれながら、レンタルショップで借りる映画を見るのが好きだった。
途中で寝落ちするセイに寄りかかって眠るのも、悪くないと思っていた。





友達関係を解消して一年半。

不満のなかった男は、気づけばわたしから離れていこうとしていた。





「……っんとに、バカだよな、お前らって」

「……アイツと一緒にすんな」

「あーそう。でも別れる前に俺をこんなとこに呼び出すお前も、変わんねえよ、アイツと」



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