スイーツは甘くなくちゃダメでしょ?
「ひっ……」

男性が顔を真っ青にすると、周は可愛らしい笑顔で「ビビらせるくらいならいいんでしょ?僕、こう見えて空手の黒帯なんだよね」と言った。

「ちょっと!もう行こう!」

女性が言い、男性たちは逃げるように立ち去ろうとしたが明日香さんがニコニコと笑いながら立ち塞がる。

「君たち、うちのアルバイトに手を出そうとしたよね?防犯カメラにばっちり映ってると思うし、警察に通報したから」

明日香さんの言葉に男性たちは自分たちがどうなるかを悟り、泣きながら謝るが明日香さんは「警察の人にたっぷり怒られな!」と言うだけだ。しかし、これでこのスイーツ店は平和になるだろう。

「舞ちゃん、大丈夫?」

周に声をかけられ、舞は「お騒がせして申し訳ありません」と頭を下げる。他のお客さんにも謝らなければと舞は動こうとするも、先ほどの恐怖を思い出し、腰が抜けてしまったのかその場に崩れ落ちそうになる。

「舞ちゃん!」
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