スイーツは甘くなくちゃダメでしょ?
周が素早く腰に腕を回して支えてくれた。グッと近くなる距離に舞は恥ずかしくなるが、抵抗ができない。可愛らしい見た目からは想像できないしっかりとした体に、舞は周が男性なのだと改めて実感した。

「桃山さん、ありがとうございます。私は大丈夫なので……」

「こんなに震えてるのに?説得力ないよ」

強く抱き締められ、少し離れたと思った瞬間に頬にキスをされる。舞は驚いて周を見つめた。

「言ったでしょ?舞ちゃんが好きって」

「えっ……」

突然のことに舞は固まる。あの時の言葉は、彼なりのさりげない告白ということだったのだ。

「舞ちゃんを見てるだけで満たされる。とっても甘くて、舞ちゃん自身がスイーツみたいで……」

だからもっと甘くなって、ともう一度頬にキスをされて舞は飛び上がりそうになってしまった。

甘く感情が色づいていく。それはきっと周のせいだろう。





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