【カルマ〜青春白書】1章完結
【副キャプ庄司】
風早中の放課後は、
いつものように
グラウンドでは
サッカー部の練習が
行われている。
これは 学校のない
”日曜日以外は
ごくごく当たり前の
光景である。

主人公和也の通う
都立風早中は
都立といっても
かなりの下町の
位置付けにある。
都内でありながら、
一周200メートルの
広いグラウンドは
中学のサッカー公式戦
が行えるほどの
広いグラウンドを持つ
学校だ。

この主人公の
新城和也は地元では
実はちょっとした
ヒーローになった。
わかりやすく言えば
スーパー中学生とでも
いっておこう。

そう、この物語は、
少年の恋と生活を
思春期である
中高を中心に、
大人になっていく
道しるべを描いていく
青春ドラマである。

風早中サッカー部は
和也達の代
(中学二年の二学期)
から実は顧問不在で
スタートした。
とある不祥事で
顧問が責任をとり、
転勤処分になったのだ。
しばらくの間は
バスケ部の顧問が
掛け持つはずであった
が、もちろんバスケ部
優先であり、
就任三日目にして
練習の終わりにしか
顔を出さなくなった。
この状況の中、
責任感の強い
キャプテンになった
ばかりの和也と、
これまた生徒会
委員長になった
ばかりの同じく
責任感の塊りの
副キャプテンの庄司は
二人で考えた。

このまま俺達だけで
やってみない?
顧問って、必要なの?
自分達だけで
部の運営が
許されるのか?
和也は この庄司が
いたからこそ快く
キャプテンを担った。
和也にとって
この庄司とは非常に
頼りになる
パートナー”なのだ。
実は当初、庄司が
キャプテンを
後継するはずだった。
このサッカー部には
とある伝統がある。
というのも風早中は
九割が桜小学校から
くる生徒、
そしてごくわずかの
一部が鳳小学校からの
生徒で学年が
例年構成されている。
ようするに毎年、
桜小学校出身が
必然的にキャプテンと
いう、暗黙の
”きまりごと”なのだ。
現に和也以外、
鳳小学校の者はいない

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