【カルマ〜青春白書】1章完結
【エゴイスト】
「それでは、明日の
スタメンを発表する。」
山田は、唾をのんだ。
あのバレー部の
最初の練習試合、
今、目の前で彼等が
感じている”緊張”、
それはまったくもって
あの時、山田自身も
感じたものだった。
和也と庄司は、
メンバー選定に
妥協などまったく
しなかった。
それは、試合に
勝つためではなく、
戦うための手段だ。
レギュラーに選ばれた
一年は、浮かれることもなく、むしろ引き締まった顔になり、
選ばれなかった二年は
気を落とすどころか、
同じように、引き締まった顔をしていた。
山田は、あの時、レギュラー組に選ばれた。うれしくてうれしくて、声をあげて、選ばれた”仲間”と喜んだ。歓喜の輪の外には、補欠組が声を殺して泣いていたのを、山田は覚えている。
この部員達に”エゴ”という言葉はまるで皆無。
山田は、明日の試合がとても楽しみになっていた。
「それでは、明日の
スタメンを発表する。」
山田は、唾をのんだ。
あのバレー部の
最初の練習試合、
今、目の前で彼等が
感じている”緊張”、
それはまったくもって
あの時、山田自身も
感じたものだった。
和也と庄司は、
メンバー選定に
妥協などまったく
しなかった。
それは、試合に
勝つためではなく、
戦うための手段だ。
レギュラーに選ばれた
一年は、浮かれることもなく、むしろ引き締まった顔になり、
選ばれなかった二年は
気を落とすどころか、
同じように、引き締まった顔をしていた。
山田は、あの時、レギュラー組に選ばれた。うれしくてうれしくて、声をあげて、選ばれた”仲間”と喜んだ。歓喜の輪の外には、補欠組が声を殺して泣いていたのを、山田は覚えている。
この部員達に”エゴ”という言葉はまるで皆無。
山田は、明日の試合がとても楽しみになっていた。