【カルマ〜青春白書】1章完結
【形あるもの】
彼はジャージをまとい、
ライン沿いで懸命に
指揮を全うした。
その姿には、
職員室の反対派教頭、
その他先生達、
もちろん視聴覚室の
山田、校長、
応援するサポーター
生徒達がいつの間にか
のめり込み、熱狂した。
しかし、終盤間際、
和也の抜けた中盤で、
圧倒的支配をする二中、
ミドルシュートを
放ったボールが
ポストに当たり、
不運にも
風早ディフェンダーに
当たってしまい、
燃え上がった試合は、
呆気なく幕を閉じた。
「いや〜素晴らしい
試合だったね、
山田くん。ん?ん?」
山田は感動のあまり、
泣いていた。
「山田くんみてごらん!
敗れた風早の選手、
そして、勝った
二中の選手を。」
そこには、
負けて誇らしげな風早、
勝って気落ちした二中、
圧倒的に勝つはずだった
二中の未達成感と、
自分達の全てを出した、
風早の達成感は
あまりにも露骨だった。
「君、君?」
和也の元になんでだか、
区報の担当者がきた。
「はい?」
「あの二中相手に
実に素晴らしい
試合だった。
顧問の先生はどこかね?
「視聴覚室にいる
山田先生です」
そう答え去ろうとした時
「顧問はいませんぞ!」
校長であった。
「彼が顧問である」
突然の発言に
和也すら度肝を抜かれた
「新城くん、
あとはわしに任せて」
そう言い残すと
校長と取材班は
校舎に消えていった。
「まぢかよ、和也」
側で聞いていた庄司が
喜びながら駆け寄る。
「うん。俺達の願いが
今、叶ったね!」
夕焼け空に少年達の
光る汗は結晶となった。
彼はジャージをまとい、
ライン沿いで懸命に
指揮を全うした。
その姿には、
職員室の反対派教頭、
その他先生達、
もちろん視聴覚室の
山田、校長、
応援するサポーター
生徒達がいつの間にか
のめり込み、熱狂した。
しかし、終盤間際、
和也の抜けた中盤で、
圧倒的支配をする二中、
ミドルシュートを
放ったボールが
ポストに当たり、
不運にも
風早ディフェンダーに
当たってしまい、
燃え上がった試合は、
呆気なく幕を閉じた。
「いや〜素晴らしい
試合だったね、
山田くん。ん?ん?」
山田は感動のあまり、
泣いていた。
「山田くんみてごらん!
敗れた風早の選手、
そして、勝った
二中の選手を。」
そこには、
負けて誇らしげな風早、
勝って気落ちした二中、
圧倒的に勝つはずだった
二中の未達成感と、
自分達の全てを出した、
風早の達成感は
あまりにも露骨だった。
「君、君?」
和也の元になんでだか、
区報の担当者がきた。
「はい?」
「あの二中相手に
実に素晴らしい
試合だった。
顧問の先生はどこかね?
「視聴覚室にいる
山田先生です」
そう答え去ろうとした時
「顧問はいませんぞ!」
校長であった。
「彼が顧問である」
突然の発言に
和也すら度肝を抜かれた
「新城くん、
あとはわしに任せて」
そう言い残すと
校長と取材班は
校舎に消えていった。
「まぢかよ、和也」
側で聞いていた庄司が
喜びながら駆け寄る。
「うん。俺達の願いが
今、叶ったね!」
夕焼け空に少年達の
光る汗は結晶となった。