【カルマ〜青春白書】1章完結
【違和感】そうして様々なサプライズの山田の初”顧問”が無事終わった。薄暗くなったグラウンドにふと目をやると なんとも不思議な光景が 飛び込んできた。 山田→「ん?んん?え〜?」
山田は常に自分の中学時代の部活動と 比べてしまうのは仕方がないが、一年が引き上げ、二年が後片付けしている この光景にかなりの違和感を覚えた。何故?あまりの”おかしな”光景に
山田↓「東くん、ちょっといい?あのさ、なんで、なんで二年生が…片付けているの?」
東→「それはね、俺達一年は朝練担当だからだよ。キャプテンがさ、最初のミーティングでね、上級生、下級生なんて関係ない、サッカーを一緒にやる以上、仲間であるがゆえ、皆平等だ、だから遠慮なんてするな!たてるべき時だけ、礼をわきまえればそれでよし!ってね!」と、東は得意げに和也の物まねをしながら楽しそうに語った。山田は、そんな東の遠くを見る眼差しを見て、素敵な映画を見ているかのごとく、やさしさを感じた。そしてさらにびっくりしたのは
山田→「えっ?朝練もするの?!」
東→「何びっくりしてんの?、¨もちろん¨するよ。当然!」
得意げに胸を張ってそう伝える東に山田は続ける
山田→「ねぇ、朝練について詳しく教えてくれない?時間とか内容とか…」
東→「先生〜、知らんかったの?朝練は毎日なんだよ。練習試合や本大会の試合日以外はあるね。雨の日だって。雨の日は作戦会議や練習メニュー構成、あと補習(笑)」
山田→「ほ、補習?」
わけもない。山田は普通の担任と違い、夜8時まで勤務の為、出勤時間が遅い。3時間目からの出勤の為¨朝¨を知らない。
やがて片付けが終わると キャプテンと副キャプテン以外は 足早に帰宅していった。
山田自身も見届けをして
引き上げようとした時、 新城→「先生、30分だけ、教室を使用させていただきたいのですが?」 てっきり 二人も帰ると思ったら そうではないみたいだ。
山田→「まだ、何かするの?」迷惑ではないが これ以上は・・
正直な気持ちである。
庄司→「先生、よかったら同席していただけませんか?」
本当に この二人は中学二年生なのか?
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