粗大ごみを拾ってしまった(恋する冥府の王・死神シリーズ2)
<ミイヤの部屋・ベランダ・夕方17時>

マンションのベランダはもう、
夕暮れで、うす暗く
下の街灯が灯って明るくなっていった。

塾の仕事に行く前に、洗濯物を取り込まなくては・・

ミイヤはかごを手にベランダに出た。

洗濯ものを取り込み、かごを抱えようとした時だった。

ベランダの手すりに、大きなカラスが止まっている。

真っ黒な目で、ミイヤの動きを追っていた。
カラスと目が合った・・・

ミイヤは貧血を起こしたように
めまいがして、かごを床に落としてしまった。

ガタッ

なぜか、体が動かない・・・
意識がぼんやりとしてしまう・・

目の前にいたのはカラスではなく、加賀城・・
いや、瞑王だった。

「なんで・・・」
ミイヤの口が動くが、声が出ない。
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