粗大ごみを拾ってしまった(恋する冥府の王・死神シリーズ2)
<上条ミイヤのマンション・ゴミ捨て場>

最近のマンション住民は
表札・名前を出さない。

宅配便のお兄さんが
「加賀城」あてに荷物を届けていたのを、
ミイヤは仕事の帰りに、偶然居合わせて聞いた。

405号室
ミイヤ部屋の隣だった。

マンションのゴミは分別を守らないと、
ごみ回収車が赤いシールを貼って
そのまま残して行ってしまう。

その、残ったゴミ袋を分別し、
再度ゴミ捨ての曜日に出さなくてはならない。

不定期だが、
1個だけ袋が取り残されることが
数回続いた。

ミイヤは仕方なく
役員の当番のもう一人の佐藤さんに声をかけた。

佐藤さんは置き去りにされたゴミ袋を見て、尻込みしている。
その様子を見て、
ミイヤは、自分がやるしかないと決意した。

とても嫌な仕事だが、
やらなければこの状態がいつまでも続くだろう。

マスクをして、ビニール手袋をし、
45Lビニール袋をすっぽりとかぶる厳重態勢をとる。

他人のゴミなどできれば触りたくない、

何が出てくるかわからない。


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