粗大ごみを拾ってしまった(恋する冥府の王・死神シリーズ2)
<ミイヤの部屋のベランダ・17時30分>

「君はおもしろいな・・悪くない」

そう言って瞑王は耳元に唇をつけた。
これから何をするのか・・
これはまずいから・・
ミイヤは何となくその思いを口にした。

「だめ・・・」

「そう言われると・・もっと・・」
瞑王が耳元でささやく。

ああ、楽しんでいる・・
私は体に力が入らない・・・

崩れ落ちそうになっているのに

ミイヤの体はベランダの鉄柵に
もたれかかるように、
立たされるような姿勢になっていた。

瞑王の体が覆いかぶさるようにして、
ミイヤの首筋に唇を当てている。

片手を手首に、
もう片手がミイヤの腰に当てられ引き寄せられた。

瞑王は独り言のように
「香水では・・ないな・・
この香りは・・エキゾチックな・・わかった・・ジャスミンだ・・」

ミイヤは考えていた。
そうだ・・
シャンプーとボディソープを新しいのに変えたんだっけ。

どこかの王室御用達の物で、
ジャスミンの香りがすごくいいって・・

アロマ好きの友達が薦めたのを買った。

それはちょっと高かったけど、
頑張る自分への御褒美だと思って・・
お風呂の時、
使うと本当に香りが良くて・・
そう・・ジャスミンだ・・・・

それにしても、たばこ臭い・・・
ミイヤはぼんやりと感じていた。

この人・・結構吸っている・・・・体に良くないのに・・

あの時のゴミ袋にも、たばこの吸い殻がいっぱい入っていた・・・

「たばこ・・よくないよ・・」

瞑王がすっとミイヤの首元から顔を離して、
意外そうな顔をした。
「なんでそんな事・・
言うのだ?・・」

吸いすぎたら、肺がんになるリスク高いから。

そう言いたかったけど、言葉が出てこない。

「ああ・・」
そうだ・・
この人を何とかしなくてはいけないのだ・・

次は何をするのか・・・

耳たぶに暖かく息がかかる、
温かい、湿った感触・・
甘噛みされていた。

「ピアスをしていないのか・・」

ああ、ピアスはだめで・・
痛くて腫れてしまい無理だったから・・
また、思考が飛んでしまう。

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