粗大ごみを拾ってしまった(恋する冥府の王・死神シリーズ2)
<上条ミイヤのマンション・ゴミ捨て場>
そっと袋をあけて、金ばさみで中を探る。
中のゴミは紙くず、
それもすべてシュレッダーにかけられている。
ミネラルウオーターのペットボトル、
たばこの吸い殻が山ほど・・・
しかし、生ごみがない・・
生活感がない。
何かの事務所として使っているのだろうか。
あと、
<エクセリア>というバンドらしい、音楽関係のチラシだろうか。
山ほど捨てられている。
チラシの写真は印象的だった。
マイクを持ち、体をややかがめて、シャウトするボーカルは
<ドラァグクィーン>のような感じで、美しい。
高いヒールが美脚を際立たせている。
髪は漆黒で高く結い上げ、
総レースのドレスがエロティックな雰囲気を醸し出している。
・・・・が、何か違和感がある。
まるで、美しい人形のようで、
作りもの、アニメの登場人物のようだ。
佐藤さんがチラシを見て言った。
「エクセリアのファンの人なのですかね・・」
「エクセリアって何ですか?」
ミイヤが聞いた。
「今、若い人に人気があるバンドで・・
バブルの時のトランスって知ってます?上条さん?」
「さぁ」
ミイヤは首を傾げた。
音楽はよくわからない。
「その頃の音楽を今風にやっているバンドみたいで・・
うちの娘がよく聞いていて」
「このきれいな人は?」
佐藤さんは笑った。
「男性ですよ。こういうのが、
はやっているんじゃない?
男性か女性かわからない、境界線が曖昧なってやつ」
「はぁ・・・」
「今はみんなSNSで配信するから、
TV見てもわからないのよね・・
昭和の世代と全く違うから」
この時代にはもうついていけない・・
AIの世界は無理だ・・
ミイヤは降参だ。
「この人だって、初音ミクみたいにボーカロイドで、
実態のないものかもしれないし・・」
「とりあえずペットボトルは
分別しないと」
人の出すゴミは<アナログの世界>だ。
ゴミもバーチャルなら簡単に消せるのに・・・
ゴミ袋を前にミイヤと佐藤さんはため息をついた。
そっと袋をあけて、金ばさみで中を探る。
中のゴミは紙くず、
それもすべてシュレッダーにかけられている。
ミネラルウオーターのペットボトル、
たばこの吸い殻が山ほど・・・
しかし、生ごみがない・・
生活感がない。
何かの事務所として使っているのだろうか。
あと、
<エクセリア>というバンドらしい、音楽関係のチラシだろうか。
山ほど捨てられている。
チラシの写真は印象的だった。
マイクを持ち、体をややかがめて、シャウトするボーカルは
<ドラァグクィーン>のような感じで、美しい。
高いヒールが美脚を際立たせている。
髪は漆黒で高く結い上げ、
総レースのドレスがエロティックな雰囲気を醸し出している。
・・・・が、何か違和感がある。
まるで、美しい人形のようで、
作りもの、アニメの登場人物のようだ。
佐藤さんがチラシを見て言った。
「エクセリアのファンの人なのですかね・・」
「エクセリアって何ですか?」
ミイヤが聞いた。
「今、若い人に人気があるバンドで・・
バブルの時のトランスって知ってます?上条さん?」
「さぁ」
ミイヤは首を傾げた。
音楽はよくわからない。
「その頃の音楽を今風にやっているバンドみたいで・・
うちの娘がよく聞いていて」
「このきれいな人は?」
佐藤さんは笑った。
「男性ですよ。こういうのが、
はやっているんじゃない?
男性か女性かわからない、境界線が曖昧なってやつ」
「はぁ・・・」
「今はみんなSNSで配信するから、
TV見てもわからないのよね・・
昭和の世代と全く違うから」
この時代にはもうついていけない・・
AIの世界は無理だ・・
ミイヤは降参だ。
「この人だって、初音ミクみたいにボーカロイドで、
実態のないものかもしれないし・・」
「とりあえずペットボトルは
分別しないと」
人の出すゴミは<アナログの世界>だ。
ゴミもバーチャルなら簡単に消せるのに・・・
ゴミ袋を前にミイヤと佐藤さんはため息をついた。