粗大ごみを拾ってしまった(恋する冥府の王・死神シリーズ2)
<上条ミイヤの部屋・リビング・19時50分>

「うん!それならいい・・・
てか・・父親って誰だ?」

大森が渋い顔をして答えた。

「もちろん瞑王様が父親だが・・
それが条件なので」

弟が大声で叫んだ。
「あの変態を
<パパ>って呼ぶのか!
そんなの無理!」

大森はその反応を想定内というように、すぐに言葉を続けた。

「じゃあ、プランCだ。
地縛霊(じばくれい)としてずっとこの世にとどまる。

でもおまえの姉は、すでに瞑王様のものだからな。

お前のつきまといはできないぞ」

それを聞いて弟は考え込んだ。

「うーん・・じゃあ・・
プランBで・・でもそのうち離婚させるから・・・・」

大森と天使はまた顔を見合わせた。

大森は弟と目線を合わせるように、片膝をついて

「わかった。プランBで取りあえずはOKだな。

それでは手続きのため、一度は天界に行かなければならない。
それはわかるな?」

「うん」
弟は渋々うなずいた。

「本当にお手数をかけて・・・
ありがとうございました」

天使は立ち上がり、深々と大森に頭をさげた。

そしておおきな翼で、弟を包み込んだ。

光の渦が巻いて、天使の体を包み込んでいく。

光が天井まで上昇すると、
キラキラと、金粉を散らすようして
消えていった。

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