粗大ごみを拾ってしまった（恋する冥府の王・死神シリーズ２）

＜マンション・廊下＞

ミイヤの怒りは頂点を極めた。

「そう主張する前に、管理規約を守ってください。迷惑ですっ！」

ミイヤの頬が赤くなった。
拳に力が入る。

「勝手に出されると、
ごみ当番の私が、あなたのゴミを
分別しなければならないので！！」

「はぁ・・知らなかった・・」
男性はため息をついた。

その瞬間にたばこのにおい。
男性はたばこを吸い、煙を吐いていた。

「それに、ここの廊下は禁煙区間です！
たばこはダメです！」

ミイヤは男の態度に・・・
怒りを超えて貧血を起こしそうだった。

「・・あの、この廊下・・
つまりマンションの共有部分はすべて禁煙です！
それも知っておいてください！」

ミイヤはそう言い放つと隣の部屋、自分の４０６号室に飛び込んだ。

怒りのあまり、呼吸が苦しくなりそうだ。

床に手をつき、浅くならないように深呼吸を繰り返す。

ドアを閉めると、ますます許せない気持ちが沸いてくる。

プライバシーの侵害ですって？
あんたが悪いんじゃない！
自分が粗大ゴミのくせしてっ。

心の中で悪態をつくと、
少し怒りの感情が収まってきた。

・・・・・でも
やばいんじゃない？

隣の住人だし・・・・
これからも、顔を合わせる可能性が高い・・

ああ、どうしよう・・
一気に後悔の念が膨らんできた。

玄関のところでミイヤは座り込んだ。
今日はもう仕事どころではない。

１日分の気力と体力を、使い果たしてしまった。