粗大ごみを拾ってしまった(番外編その1) 大森カラスの憂鬱
<冥府の王宮・大森の執務室・19時30分>

「女の子・・かわいいよね。
大きくなったらさぁ、
天界の奴らをかたっぱしから誘惑してさ、
手玉に取るような・・悪女にするのもいいな」

瞑王はうっとりするような目で大森を見た。

「ミイヤも女の子がいいと思っているよ。
一緒に買い物したり、話も合うだろうし」

コホン
大森は咳払いをした。

「あのガキには相当の潜在力があります。
将来、冥府の王としてお考えなら、
しっかり教育をしなくてはなりません」

瞑王はカーテンにくるまったり、
離れたりして、子どもが遊ぶような動作をしている。

「教育はお前の担当だからね?
お前だって、クソガキより、カワイーイ女の子のほうがいいに決まっているだろう?」

「そうですね」
大森は否定とも肯定とも取れる言葉で濁した。

母親になる<あの人の女>は
真面目な人だ。
教育にも熱心だろう。
勉強家だし。
子どもにとっては、いい母親になるだろう。

あのミイヤの弟は転生すれば、
過去の記憶は消去されるが・・・

何かのきっかけで、その力は暴走するかもしれない。

大森は考え込んでいた。
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