粗大ごみを拾ってしまった(番外編その1) 大森カラスの憂鬱
<冥府の王宮・大森の執務室・19時30分>

「それから、俺、音楽辞めるから」
いきなり瞑王が言った。

「ええ?」

大森は、再度崩れ落ちる体を支えるのに必死だった。

「今度は建築関係・・
教会とか霊園・墓地設計とか
やりたいな」

瞑王は、大森の机の角によりかかるように立ち、机の端をトントンと叩いた。

「音楽・・飽きたし」

大森は怒りを抑えるのに必死だったが、つい立ち上がった。

「瞑王様、
勝手なご判断はお止めください!!」

その様子を見て、
やや心配そうに瞑王は言った。

「大森、疲れてるんじゃない?
休み取ったほうがいいよ。
まぁ、座りなよ」

瞑王は
大森の肩をポンポンと叩き、椅子に座るように促した。

「誰のせいで忙しくなっているのか・・・」
大森はため息をつき、崩れるように椅子に座った。

「大森もミイヤと似ている。
超マジメだからね。
無理しちゃうんだよね」

大森は笑顔の瞑王を見て・・・
思い出していた。

このお方に仕えて、どのくらい経っただろうか。
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