大空いっぱいに広がる君への愛
今日も同じだと思っていた。


いつもどおり、彼より早く屋上に行き


彼の定位置よりも離れた隅に座る。


彼は決まった時間に屋上庭に来て寝転がり


その大きな手で空を掴んでは離してを繰り


返し、眠くなると気持ちよさそうに日に


当たりながら眠る。


朝の予鈴がなると少し不機嫌そうに伸びを


しながら起きる


その一連の動作を見守ってから彼が屋上を


出て時間を開けてから私も教室に向かう。


だが、今日は彼が話しかけてきた。


『ここ、すごく気持ちいよね』


『え?』


『いや、いつも君ここにいるから

俺と同じようにお気に入りの場所なのか

と思って』


『あぁ!はい!すごく居心地が良いですよ


ね』


『だよね、ってごめんねいきなり話しか


けちゃって』


『いや、全然!』


『俺、前山 成
        高2だけど、君は?』


『私は深田 美闇です!私も高2です!』
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