Tear Flowers〜それぞれの正義〜

頭の中で計画を立てていくと、「フィオナ」と覇気のない声で話しかけられる。フィオナが振り向けば、そこにはやつれたフリージアが立っていた。あまり眠れていないのか目の下に隈ができ、疲れ切った顔をしている。

「フリージアさん、大丈夫ですか？」

今にも倒れてしまいそうなフリージアにフィオナは駆け寄る。フリージアは「ごめん、みんなに迷惑をかけて……」と謝り、フィオナはそれを見つめていた。

「飯、一緒に今から行けるか？ちょっと話したいことがあってさ……」

フリージアに言われ、フィオナは「問題ありません」と返す。大学の課題も、小説執筆も、期限はかなり先だ。フリージアとご飯に行っても問題はない。

「ありがとう」

フリージアはそれだけ言うと歩き始める。フィオナ黙ってフリージアについて行った。多くの人で賑わう通りをしばらく歩き、あるお店の前で立ち止まる。

「ここ、ジョンさんと二人でよく来ていたんだ……」

そこは中華が楽しめるお店だった。赤いランタンがぶら下げられ、お店の中には多くのお客さんが食事を楽しんでいる。