君の笑顔が見たくて〜僕たちの夏の恋物語〜
彼は、そんな背が高い訳じゃなく


パーマがかかったような
髪が歩く度に揺れる。


なんだろう。爽やか・・・。



・・・コツンッ。


「痛っ・・・」


ゆうきくんが足を止めて、私は
ゆうきくんの左の背中辺りにおでこを
ぶつけてしまって、自分のおでこに手を置いた。


「笑。ごめん。着いたから」

ゆうきくんが静かな口調でゆっくり
話した。


「・・・あっ。ごめんなさい。気が付かなかった笑」


私は、教室のドアを開けて

ゆうきくんと本を教室に置いた。


「・・・ありがとう。2人でしたから
早く終わりました」

私は彼の顔を見て話した。


「良かった」

彼は、私と眼は合わさず、


ニコッと笑うと


「じゃぁっ」


そう言って、どこかへ行ってしまった。



後ろ姿も、背が高い訳じゃないけど



バランスが良いスタイルをしている。



彼の姿が頭の中に焼き付いて・・・。



想像する度、
顔が緩んでいる私がいた。










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