君の笑顔が見たくて〜僕たちの夏の恋物語〜
図書室に戻り


いつもの席で本を読んでいた。


中庭には、


バスケ部男子の人達が、今日は、中庭で練習をしだした。


先生に聞いてみたら


体育館が使えないらしく、中庭で暫く練習をするらしい。


バスケ部の人達の声が聞こえてくる。


そこに、

「ゆうき先輩!」


そんな声が聞こえてきた!


私は、すぐさま中庭に目を向けてみると


そこには・・・、

ゆうきくんが!居た!


私は、なんだか嬉しくなって、笑顔になっていた。


さっきまで一緒に居たんだ・・・。

よね。

嘘・・・みたい。


その彼が今、そこに居る。


単純に、ただ嬉しくて。


距離が近く感じて。


ただ、嬉しい。


バスケ部かぁ。


私は、見てるのがバレないように


本を顔あたりに持っていき


チラっ、チラっと、眼だけを出来るだけ動かして


彼を探しては、彼の姿を捉えていた。


眼で追いかけてるつもりが、



本を床に付けて



顔ごと、ゆうきくんを追いかけていた。


男子とも仲良くて、じゃれ合う姿が


愛らしい。


彼は、ほんとに人気者なんだ。


でも、わかるような気がする。


人が困れば、すぐ助けにきてくれたり、


優しい特徴のある笑顔や、あの照れる姿。


可愛がられるタイプだろうなぁ。


なんだろう。爽やかだし。笑


身軽に走りまわって。


汗を拭く姿。


全てがさまになる。


好きにならない人なんか、いないかもしれないな。



私は、どんどん気になるのに。


きっと、彼は、そんな事ないんだろうな。


私は、小説や漫画みたいな



主人公の女子なんかにはなれない。


きっと、脇役の子でしかないよね。


私みたいなのが、

主人公になれるはずもない・・・。


なれなくても・・・


ここでそっと眺めていれたら良いや。


私の特等席で・・・。



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