君の笑顔が見たくて〜僕たちの夏の恋物語〜
・・・行きたい。


学校以外で・・・ゆうきくんと過ごしてみたい。


「・・・ゆうきくん。私、行きたい!」


強く返事をした。


「・・・あっ。良かったぁ〜」

肩の力を落として、安堵したかのように
ゆうきくんは、笑みを浮かべた。


「ねぇ・・・ゆうきくん。ずっと前から私を知ってるって?冗談?だよね?」


「あっ―――。俺は、ほんとに
天宮さんを・・・君が俺を知る前から知ってたよ」


―――?えっ??なんで?っ!



「ゆうき〜行くぞ〜何やってんのぉ〜」


バスケ部男子が呼んだ。


・・・忙しいな。。ゆうきくんは。


「すぐ行く〜」


そうゆうと、私を見て。


「とりあえず20時に!ってか。
連絡先って、教えてくれる?」


「あっ・・・うっうん!良いよ!」



携帯を出して
ゆうきくんは片手だから私が操作してって思って携帯を持つと・・・

喘息の薬で最近は手が震えてて、

案の定
携帯を持つ手が小刻みに震えた
・・・。


あっ・・・やだな・・・。




操作する手が止まってしまって・・・


顔を曇らせた




―――・・・ゆうきくんは・・・気がついたかな。


その瞬間

ゆうきくんが私のすぐ横に来たかと思うと
私の腕に彼の腕が微かに触れながら
そっと腕を伸ばして
携帯を持つ私の手の上に優しく
ゆうきくんの手を重ねて来た。


グッと私の身体にゆうきくんの身体が近づいて、彼の腕や肩が私の腕に強く触れた。

怪我した手の方の指で携帯を操作しだした。


「はっはっはっはぁ〜。なんだこりゃ、
指、力入んね」


上手に出来ない事・・・
笑いながら、不器用な姿を普通に
私にさらけ出す、ゆうきくん。


・・・ゆうきくんの前で
私は・・・何を、戸惑ってしまったんだろう。

・・・そんな自分を、馬鹿らしく思えた。


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