君の笑顔が見たくて〜僕たちの夏の恋物語〜
「先生、この本返し忘れてたから」

ハイッ


そう言って、机に本が置かれる音がして、


先生が答える前に図書室を出て行った。


「また、ゆうきか…」


先生が、ため息をつきながら言った。



《な…っなんだっ。本を返しに来ただけかぁ。…ゆうきくんってゆうんだ》


ホッとして、肩の力が抜け


緊張したからか、トイレに行きたくなった。


「先生、トイレに行ってきまぁす」


「おうっ。」


返事をしながら先生は相変わらず手を動かして整理をしていた。


大変そう。


図書室の入口を出て
お手洗いはすぐ右手にある。


入口を出てそのまま身体を右に向けた…


…あれ?


視界の左側に…。


…人影?!?


慌てて左側に顔を向けた!


……………!!!!??!






えっ!!!…!!


なっなんで!???


さっきの2年男子!


…ゆっ…ゆうきくん!?!



なっ何!?!


彼は、私を見て


ニヤリ


と笑みをこぼした。。。。


のだ。。。



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