転校生は双子くん


そのうち、親という立場より、”女”でありたかった母は、外で何人も男を作るようになった。


子供の俺達がいる家に平気で連れ込んだりもした。


聞いたこともないような、甘い”女の声”を発する母の声を耳にするたび、気持ち悪くて何度も嘔吐した。


”女”の顔をした母を軽蔑するようになった。


”妊娠”という女だけが持つ武器を振りかざし、そのくせ平気で子供も見捨てる母を…。





子供を、会社の跡取りとしか見ない父。


家庭を放棄し、1人の女に返った母。


自分の存在を脅かすライバルになってしまった双子の兄。


虚勢をはって、自分を見失った自分……






益々、家庭の中は冷え切ってしまった─…。


















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