転校生は双子くん
「ね。聞いても面白くも何ともなかったでしょ?
聞かなければよかった?」
私は首を横にブンブン振った。
「こんなカッコ悪い自分を曝け出したのは初めてだよ…。
でも、どうしても良子ちゃんに知って貰いたかった。
本当の俺の姿を……」
私は仲のいい両親にのほほんと育てられたから、2人の気持ちは分からない。
でも、想像すると酷く胸が痛む…。
2人の気持ちが分からない私が泣くのは、チャーリーが困るだけだ。
そう分かっていても、込み上げてくる涙が抑えきれない。
「そんなに悲しそうな顔をしないで。
泣かせる為にそんな話をしたんじゃないんだから…。
俺は良子ちゃんの笑った顔が好きなんだ」
チャーリーは私の頬に流れる涙を、親指で掬い上げていく。
「だから俺は嬉しかったんだ。あの良子ちゃんの言葉が…」